〜 ファンコンを作ろう! 02-回路図を考えよう〜

何を使う?

今回使用するのは「LM317」という3端子レギュレーターです。
こやつは回路の抵抗値を変化させることによって電圧をさまざまな値に変化させることのできる便利なヤツなんです。
市販されているファンコンで値段の安い物はだいたいコレを使用しています。

ただ、簡単に電圧を変化させることが出来る反面、困ったコトもあります。
それはLM317自体が結構な発熱をするというコトです。入力電圧と出力電圧に差があるほど発熱量が増えます。つまり出力電圧を下げて回転数を絞れば絞るほどLM317の発熱量が増えることになります。コレを嫌って開発された製品がシステムテクノロジーのファンコン「ST-24・25」です。ST-24・25は『PWM制御方式』という私には理解不能な回路なのでファンコン自体からの発熱は回避されてます。その代わりに値段が高くなってますが・・・。

LM317を使う最大の利点は、「部品点数が少なく済み、安く仕上げることが出来る」ことです。素人の私には部品点数が少ないのは助かりますね。



一般的な回路図

LM317を使った回路図はネットで検索すると、どれも似たような物が出てきます。



こんな感じですね。

C1=セラミックコンデンサ
C2=電解コンデンサ
R=固定抵抗
VR=可変抵抗

となります。

この回路での出力電圧は
出力電圧=1.25×(1+(VR/R))
で求める事が出来ます。

で、可変抵抗という部品はツマミを回すことによって 0Ω〜1kΩ などといったような範囲で抵抗値が変化出来ます。
あれ?ちょっと待てよ・・・
0Ωの時、上記の式に当てはめると、出力電圧は1.25Vになっちゃいますね。これでは困ります。こんなに電圧が低いとファンが回転しません。
私が欲しいファンコンは出力電圧が5〜12Vの範囲で制御可能な物です。最低電圧が5V。この回路のままでは最低電圧が1.25Vになってしまうのでちょっと考えないといけませんね。



最低電圧が5Vになるように回路図変更

最低電圧が5Vになるようにするには・・・・
VRの可変抵抗を「固定抵抗+可変抵抗」とすればオッケーですね。
回路図に書き足すと、



こうなります。
これならばVR値がゼロでもR2値の分だけ最低電圧が引き上げられます。



どの値の部品を使う?

さぁ、回路も決まったんで今度は各部品の値を決めていきましょう。

まずはC1・C2。
この2つのコンデンサは「リップル(直流の中の交流成分)を抑えるため」に使用するという私には理解不能な役目を果たします(笑) 別に無くても問題なく動作します。
C1は0.1uF程度のセラミックコンデンサ。
C2は47uF程度の電解コンデンサを使用することにします。
どうしてこの値なのかと言うと・・・・さぁなんででしょうねぇ〜?(コラ
よくは分かりませんが大体この値を使えば問題無しとのことだったんで。

お次はR1抵抗。
とあるHPにて「データシートにはR1は120Ωを使用するように指示があります。」と書かれていたので120Ωで行きます。
(別に120Ωである必要は無いみたいですけど・・・)

R2抵抗。
R1の値が決まったので先ほどの計算式で求めることが出来ますね。最低電圧を5Vにしたいんだから・・・
出力電圧=1.25×(1+(VR/R))
5V=1.25x(1+(R2/120Ω))
R2=360Ωになります。

最後にVR可変抵抗。
最大電圧を12Vとして先ほどの計算式で求めると・・・
12V=1.25x(1+(360Ω+VR/120Ω))
VR=672Ωとなる。
…が、ちょっと待って。
LM317に入力電圧を12V流しても12Vがそのまま出力されるわけではなく、1.5Vぐらい低い電圧が出力される。つまり入力電圧が12VだとVRの値をいくら大きくしても出力されるのは10.5Vが最大となります。
なので、最大電圧を10.5Vとして計算することにする。
10.5V=1.25x(1+(360Ω+VR/120Ω))
VR=528Ωとなる。
528Ωなんて中途半端な可変抵抗は売っていないので、近い500Ωの可変抵抗を使用することにする。


最大出力電圧=1.25x(1+(360Ω+500Ω/120Ω))≒10.2V

ということで、これらの部品で構成される回路から出力される電圧は最低5V、最大10.2Vとなる。
10.2V以上でファンを回す必要は無いと思われるのでこれで十分。



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