2003/08/06

〜 ヒートパイプを作ろう! 03-作るぞ! 〜

おまたせぇ〜

どーもお待たせしてしまって、すみませんでしたねぇ^^;
今回は一気に作っちゃいますよぉ。

<工程−01>

今回用意した銅パイプは「外径7mm・内径6mm・肉厚0.5mm」の物です。
まずは銅パイプを金鋸で自分の作りたい長さにブッタ斬ります。私はとりあえず33cmで。

切断面が汚いですねぇ。
<工程−02>

棒ヤスリなどでバリをキレイに取っておきましょう。
コレをちゃんとやらないと、後でウィックを入れる際に引っかかったりするぞ。
<工程−03>

バリ削除時の屑や、ホコリ、油などでパイプ内部が汚れているので、ティッシュなどを突っ込んでキレイに掃除しましょう。
<工程−04>

アンテナ線を銅パイプの1.5倍ほどの長さで切ります。
今回は手持ちの「3C」サイズのアンテナ線を使います。

※撮影上の都合から、一部の説明画像の銅パイプは15cmになってます(^^;
<工程−05>

アンテナ線の被覆にカッターで切りスジを入れます。
片方の端っこだけを深く斬って、残りの部分は被覆に「かる〜くスジを入れる」的な感じにしておきます。
間違っても被覆を突き破ってメッシュまで傷つけることのないように!
<工程−06>

両親指の爪を使って被覆を引き剥がします。
ある程度まで引き剥がしたら被覆と中身をそれぞれの手に持ち、左右に強引に引っ張れば、先ほどのスジに沿ってキレイに引き剥がせると思います。
<工程−07>

引き剥がし完了。
被覆はまだ使うので捨てちゃダメダメ。
<工程−08>

メッシュから心線を引き抜く前に、メッシュを押し縮めておきます。
<工程−09>

メッシュを引っこ抜きます。
<工程−10>

メッシュに先ほどの被覆を通します。
これは銅パイプの壁面にメッシュが密着するよう、メッシュの径を太くするためです。
<工程−11>

メッシュの片方をよじります。

心線の端っこの被覆を斬って、銅線を出します。
<工程−12>

銅線をメッシュに突き刺して…
<工程−13>

折り曲げる!
<工程−14>

先に心線を銅パイプに通して”ゆっくり”とメッシュを引っ張り込む。
<工程−15>

「ゆっくり」ね。
面倒だからって速く引っ張り込むと、メッシュが伸びて径が小さくなってしまい、パイプの内壁に密着しなくなっちゃうんよ。
(あ、この時には黒い被覆はメッシュから抜いておきます)
<工程−16>

メッシュを通し終わったら…
<工程−17>

余分な部分をカット。
<工程−18>

メッシュの片方を引っ張り、反対側のメッシュがパイプ出口より約1cmぐらいの位置に来るようにします。
<工程−19>

1cmほどに切ったエアチューブを用意します。
<工程−20>

エアチューブを押し込みます。
このエアチューブの外径は約5.4mm。内径6mmの銅パイプとではちょっと隙間が出来てしまいます(泣)
熱帯魚に使われるエアチューブの外径は6mmだったはずなのに…。後々判明することなんですが、この隙間が仇となってガス漏れを塞ぐのが困難になります。
<工程−21>

さって、みなさん100円ペンチは用意できましたね?
<工程−22>

ダイヤモンドヤスリを使って、刃を削りましょう。
これは銅パイプをカシメる際にパイプにキズを付けないためです。
<工程−23>

刃を削り終わったら、パイプをカシメます。
このときにエアチューブが押しつぶされて、隙間を防ぎ、ガス漏れを防止する役目を果たしてくれます。
<工程−24>

私は3箇所をカシメるようにしました。たぶん1・2箇所をカシメただけではガスが漏れると思います。
<工程−25>

あくまでも私のやり方ですよぉ。
図の順番通りにカシメていきます。
<工程−26>

それではもう片方の作業に取り掛かりますよぉ。
今度はちょっと長めの(1.5〜2cmぐらい)エアチューブを用意します。
そしてメッシュを切って、さきほどと同じように出口から1cmぐらいの位置にくるようにします。
<工程−27>

エアチューブを押し込みます。この時は全部を押し込むのではなく、少しだけ出っぱったままにしておきます。
<工程−28>

エアダスターを用意します。
<工程−29>

プッシュノズルの部品を外します。
このエアダスターのガスノズルの外径は4mmでした。
<工程−30>

ノズルをエアチューブに差し込みます。
ガスノズル4mm+エアチューブの厚み1mmx2 = 6mm = 銅パイプの内径
となり、ちょうどイイ感じです。
<工程−31>

パイプを地面に立て、すぐにカシメられるようにパイプをペンチで軽く挟んでおきます。
心の準備が整ったら、エアーダスターを上から押さえ込みます。そうすると気化せずに液体のままのフロンガスが銅パイプ内を満たします。
「もう入らないかな?」
そう感じたところでペンチを握りしめて”1箇所だけ”カシメます。
エアーダスターを抜き外します。そうすると微かにガスの漏れる音がすると思いますが、慌てない慌てない。ちょっとの間ガスを漏らしてあげましょう。
そしてガス量が「パイプ内部の半分くらいになったかな?」って感じ(これはアナタの感覚だけが頼りです(笑))のところで本カシメ。ガスが漏れないようにカシメましょう。

ジツハ、ヒートパイプというのは内部のガス量によってその性能が決まります。内部が殆ど液体ガスで占められたヒートパイプというのは全然性能が出ません。ですからワザとガスを漏らして、液量を調節するんです。
適切な液量というのは計算で求められるようですが、そんな計算通りの液量なんて調整できません(笑) 『いきあたりばったり』です(笑) 今回のヒートパイプ制作で一番難しいのがこのガス量の調整だと思います。

でもまぁ、そんな適当な感じで調整したガス量でもそれなりにヒートパイプとしての仕事はしてくれます。


完成!



さぁ!ヒートパイプのお仕事拝見!

コップに熱湯を注ぎます。
そしてヒートパイプの片端を握りしめて、もう片端を熱湯に浸けます。
(この時に泡が出てきたらガス漏れを起こしてる証拠です。急いでカシメ直しましょう。)

さぁ、どうですか?
成功していれば1秒ほどで握りしめた手がメチャ熱く感じられるハズです。
失敗していればいつまで経っても熱くなりません。もう一度作り直しましょう。

私は感動しましたねぇ。
「これほどまでに熱伝導速度が速いのか!」と。

そしてもう一度感動しましたねぇ。
「こんなにお手軽に制作した物でもちゃんと動作してるやん!」と。



さてさて…

成功して喜び感動している方々、油断召されるな。
おそらくそのままだと数日後にとーとつにガス漏れが起きると思われるぞな。

数日後の夜中、突然部屋の片隅で「シュー、シュー」という音が鳴り出します(笑)

エアチューブが劣化したのかガス漏れが起きます。私は3本制作しましたが3本ともガス漏れが起きました。
ですので、制作したヒートパイプを長期間使用し続けようと思っている人は、なんらかの方法でパイプの両端を完全に密閉する必要があると思います。

ハンダ付けやロウ付けなどで密閉しようと思われる人もいるかと思いますが、作業時には細心の注意を!!
漏れだしたガスでハンダが吹っ飛ぶことも考えられます。

カシメ直後にエポキシ接着剤なんかで両端を塗り固めるのがいいかもしれませんね。(私は試していませんが…)




最後に”コレ”言っておきましょうか…


何事も自己責任でやること!

当サイトはいかなる責任も持たないよ!



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